卵(たまご)
卵(たまご)【概要】
- 卵(たまご)はアミノ酸スコア100の良質なたんぱく源。
- 卵(たまご)にはビタミンやミネラル、脂質も豊富。
- 卵(たまご)にはコレステロールが多く含まれる。
卵(たまご)とは一般的に鶏(ニワトリ)の卵(鶏卵)のことを指します。日本においては鶏以外の卵としては「うずらの卵」もよく利用されています。海外ではアヒルやキジ、七面鳥、ダチョウなど様々な卵が食されています。
卵は栄養価の高さに加え、比較的安価であることから食卓には欠かせない食品です。さらに調理の幅も広く、生卵からお菓子の原材料まで実に多くの料理に使われています。
一般に流通している卵は無精卵であり、ヒヨコになることはありません。雌鶏は受精をしなくても卵を生む性質があり、その性質を利用して食品用の卵を生産しているのです。無精卵と有精卵の違いは孵化するか否かであり、栄養的な違いは殆ど無いとのことです。
尚、「卵」という字ですが、食品として利用する場合は"卵"の他に"玉子"という漢字をあてることも多くあります。「卵」と「玉子」の使い分けは色々説があるようですが、調理前のものを「卵」、調理後のものを「玉子」と使いけるというものが有力なようです。
卵(たまご)の栄養成分と効能・効果
卵は完全栄養食とも言われる非常に栄養価の高い食物です。特に卵は良質なたんぱく質源としての価値が高い食品です。必須アミノ酸の摂取効率を示すアミノ酸スコアは"100"で最高です。
卵には必須アミノ酸が豊富にバランスよく含まれているため、他の食品と組合せることでその食品が不足しているアミノ酸を補い、全体的なアミノ酸スコアを高めることができます。
また卵には脂質も多く、さらにビタミンA・ビタミンD・ビタミンB2・ビタミンB12・パントテン酸・ビオチンといったビタミン類、そして鉄・亜鉛・カルシウム・リンといった各種ミネラルも豊富に含まれています。
卵は栄養的にオールマイティに近いと言えます。離乳食や病人食によく使われるのも、その栄養価の高さゆえです。ただし、卵にはビタミンCと食物繊維は含まれていません。
このように卵は多くの栄養成分が含まれているため、基礎的な体力をつけたり、健康を維持するのに役立ちます。具体的には免疫力強化や疲労回復、風邪予防・改善、肌荒れなどに効果的と言えます。
その他、卵における特筆すべき成分がいくつかあります。ひとつはレシチンです。レシチンは動脈硬化に効果的とされ予防薬の主成分にもなっています。次にメチオニンです。メチオニンは肝機能を高める効能があります。その為、二日酔いに効果的で二日酔いの薬によく利用されています。さらにコリンがあります。コリンは脳機能に作用し、記憶力向上やアルツハイマーなどに効果的と言われます。その他、ガン(癌)予防に効果的なシアル酸や風邪薬などに使われるリゾチームなどを含んでいます。
卵(たまご)に期待される効能
免疫力強化
疲労回復
風邪
肌荒れ
動脈硬化
肝機能
二日酔い
脳機能
記憶力向上
ガン(癌)
卵(たまご)の主な栄養素
たんぱく質 7.74g
ビタミンA 140ug
ビタミンD 1.8ug
ビタミンB2 0.4mg
ビタミンB12 0.9ug
パントテン酸 1.35mg
ビオチン 25ug
鉄 1.8mg
亜鉛 1.3mg
カルシウム 51mg
リン 180mg
セレン 30ug
モリブデン 5ug
※卵(たまご)100g含有中
※カロリー 100gあたり151kcal
卵(たまご)の調理のポイント
卵をメイン素材として献立を作るときは、野菜を組み合わせてビタミンCと食物繊維を補うことが大切です。
また、卵は火の通し加減で消化時間が異なります。たとえば、ゆで卵の場合、最も消化・吸収がよいのは半熟で、次いで生、固ゆでの順です。消化力が落ちている病人などには、半熟程度に火を通して使うことをおすすめします。ただし、乳幼児にはアレルギーを考え、十分に加熱して与えたほうが安心です。
なお、卵のコレステロールは卵黄に集中しており、卵白にはほとんど含まれていません。卵のコレステロールがどうしても気になるという人は、卵白だけを利用するのも一考でしょう。
卵(たまご)の選び方と保存
新鮮な卵を外側から見分けるのは難しいですが、表面の殻がきめ細かく、なめらかで光沢があり、表面が汚れていないものが新鮮な卵を見分ける目安と言われています。表面にひびが入っているものは避けましょう。
その他、卵を透かして尖っていない方にある気室という空間で見分ける方法もあります。この場合気室が小さいほど新鮮です。昔から言われていますが、古い卵が食塩水に入れて浮いてしまうのはこの気室が大きくなるためです。
卵を保存する時は、尖った方を下にして冷蔵庫で保存しましょう。常温でも保存は可能ですが、卵は温度変化に弱いのとサルモネラ菌が発生しやすくなるので冷蔵庫での保存が推奨されています。尚、ゆで卵にすると保存期間が短くなるので生のまま保存しましょう。
卵(たまご)の注意点
卵といえば、栄養価の高さとともに、コレステロールがしばしば問題にされます。卵1個あたりのコレステロール含有量は約250mgです。一般によく口にする食品の中では"ダントツ"にコレステロールが多いといえます。
卵にはコレステロールを下げる働きをするレシチンという成分も含まれており、1日1~2個ならコレステロールを気にする必要はないとの見方もあるようですが、様々な食品に卵は使われており、知らず知らずの内に卵を食べてしまっていることがありますので注意が必要です。
卵(たまご)に含まれる健康成分
卵(たまご)に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。