下痢
下痢【概要】
食物は、胃、小腸、大腸の順に運ばれ、その間に栄養や水分が吸収される。そして最後に便となる。この過程に何らかの問題があると下痢が起きる。
下痢には急性の下痢と慢性の下痢がある。急性の下痢は、食べすぎや寝冷えなどで起こるもので、しばらくすると治る。ただし、発熱や吐き気があるときは食中毒などが疑われるので受診が必要だ。
よくなったり悪くなったりしながら、下痢を繰り返すのは慢性の下痢で、いくつかの要因がある。
例えば、太っている中年男性は腸が短いため、ビールなどを多く飲むと下痢をしやすく、便秘になりにくい傾向がある。
便秘と下痢が交互に起こるケースもある。痩せている人は、S状結腸が長い人が多いのだが、さらにS状結腸にねじれがあると、そこで便の通りが悪くなるため、便秘でコロコロの便が出た後に下痢が続く(過敏性腸症候群)。
ポリープやガンなどができて、1カ所だけ通りが悪くなったときも、同様に便秘と下痢が交互に起こりやすい。
そのほか潰瘍性大腸炎など、慢性炎症があると下痢をしやすい。この場合は、腹痛を伴い、血液の混じった粘液が出ることが多い。
牛乳や人工甘味料の摂りすぎで下痢することもある(乳糖不耐症)。
下痢と便秘が交代したり、腹痛を伴ったり、血が混じったりすることがあれば、内視鏡検査を受けること。なお、検査後2週間は、乳酸菌を摂るようにしよう。
下痢の予防・解消・改善について
慢性下痢の予防には、腸内の健康を保つことが第一だ。
最近「プロバイオテイクス」という言葉をよく耳にするが、これは腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑えることで、健康を維持していこうという考え方。
抗生物質などの薬に頼らない代替医療の治療法だ。善玉菌の代表である乳酸菌と、そのエサとなるオリゴ糖を一緒に摂って、下痢を予防・改善しよう。これは便秘にも有効。
また、体調を崩した後の回復期には特に効果がある。ただし、オリゴ糖を摂りすぎると下痢をするので、様子をみながら摂ること。
逆に、牛乳、ダイエット甘味料、コーヒーなどカフェインを含むもの、ビールは下痢を招きやすいので、摂りすぎないように注意すること。
下痢に効果があると思われる食品成分
下痢に効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。