胃潰瘍
胃潰瘍【概要】
- 胃潰瘍とは胃酸と胃粘膜のバランスが崩れ、胃に潰瘍ができる病気。
- 胃潰瘍の大きな原因はピロリ菌である。
- 胃潰瘍にはビタミンUとイソチオシアネートを含むキャベツが効果的。
胃潰瘍とは胃の内壁がただれたり、傷ついたりする病気のことを言います。胃の内部には食べ物を溶かす胃酸とその胃酸から胃の内壁を保護する胃粘膜があり、それぞれ分泌量のバランスを保つことで胃の健康を保っています。
しかし、何かの原因により胃酸と胃粘膜のバランスが崩れ、「潰瘍」という胃壁がえぐり取られたり、穴が開いた状態が生じます。これが胃潰瘍です。
尚、胃粘膜表面が炎症を起こしているだけの場合は「胃炎」と診断されます。胃潰瘍の場合はさらに炎症が酷くなり、胃粘膜の下の組織まで損傷した状態になります。
胃潰瘍の症状
胃潰瘍の場合、多くはみぞおち辺りに痛みが現れ、胃もたれや胸やけを伴うこともあります。痛みに関しては、特に食後に痛むケースが多いようです。
胃潰瘍が酷くなると、腹部に激痛があったり、吐血や下血をすることがあります。また、コールタール状の大便がでることもあります。
出血が止まらない場合は、潰瘍が深くなっており危険性を伴うので早急に病院で診察してください。
胃潰瘍の原因
胃潰瘍は胃液と胃粘膜のバランスが崩れることでおきますが、その原因はストレスや暴飲暴食、飲酒や喫煙、薬の副作用などがあります。これらは胃粘膜の分泌を減少させてしまう傾向があります。その為、胃酸の割合が多くなり胃壁を傷つけていき、胃潰瘍となるのです。薬に関しては、鎮痛剤や抗血小板剤系を利用している場合、胃潰瘍になりやすくなります。
もう一つ、胃潰瘍の大きな原因と言われるのがピロリ菌です。ピロリ菌は胃酸の中でも生きることができる細菌で、胃炎、胃潰瘍、胃癌の原因にもなることがあります。
ピロリ菌に関しては解明されていないこともありますが、主に口から感染し、胃の中で毒素やアンモニアなどを排出し胃粘膜を傷つけます。その結果、胃潰瘍になると考えられています。
胃潰瘍の予防
胃潰瘍を予防するには暴飲暴食、飲酒や喫煙を控えることとストレスを溜めないようにリフレッシュすることが大切です。
また、胃の粘膜をあらすカフェインや香辛料、極端に冷たいものなどを避け、保護する食品をとるのも胃潰瘍には有効です。カフェインを含んだコーヒーや紅茶、緑茶は1日3~4杯までにとどめましょう。さらに、ドカぐいや早ぐい、おなかのすきすぎなどで、胃腸の粘膜をあらきないように気をつけましょう。
胃潰瘍に効果的な食事・成分
胃潰瘍に効果的な成分はキャベツに含まれるビタミンUがよく知られており、胃腸薬などにも配合されています。
ビタミンUは胃液の分泌を抑え、胃の粘膜の代謝を助け、潰瘍を治す効果があります。
さらにキャベツにはイソチオシアネートという成分も胃潰瘍に効果的です。イソチオシアネートは胃の粘膜の再生を促進する働きがあります。イソチオシアネートはセロリやアスパラガス、レタスなどにも含まれています。
また胃の粘膜を保護する成分を摂るのも胃潰瘍に効果的です。胃の粘膜を保護する成分は、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、ネバネバ成分であるムコ多糖体の入ったオクラや納豆、山芋、なめこなどです。
胃潰瘍の治療
以前は胃潰瘍の治療は手術によるものが多かったのですが、現在は殆どの場合、薬物治療で治ると言われています。ピロリ菌に感染した場合は除菌療法が行われます。
手術が必要になるのは「狭窄」と言われる胃潰瘍による瘢痕で胃が狭くなる症状の場合などです。
いずれにせよ胃潰瘍は発見が遅れると治療が長引きますので、胃に痛みを感じるようであれば早めに病院で診察を受けましょう。
胃潰瘍に効果があると思われる食品成分
胃潰瘍に効果があると思われる健康成分には以下のようなものがあります。