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保湿に関する説明

NMF(天然保湿因子)

  • NMF(天然保湿因子)とは肌が持つ天然の保湿成分。
  • NMF(天然保湿因子)は角質層の角質細胞の中にある。
  • NMF(天然保湿因子)の減少は肌荒れの原因となる。

NMFとは「Natural Moisturizing Factor」の略で天然保湿因子と呼ばれ、肌そのものが持つ保湿成分です。

肌には3つの保湿成分があり「保湿の三因子」もしくは「うるおい因子」と呼ばれています。「NMF」はその内の一つで、あとの2つは「角質細胞間脂質」と「皮脂膜」です。

NMFは角質層にある角質細胞の中に含まれ、吸収した水分を保持する機能があります。

NMF(天然保湿因子)の働き

NMFは吸収した水分を保持することで肌を保湿し、潤いをもたらします。ただし、最近ではその働きよりも角質細胞であるケラチンの柔軟性や細胞の崩れを防ぐことがNMFの本来の働きという見解が強くなっています。

つまりNMFの働きは保湿というより、若々しく、きめ細かい肌をつくる美肌効果の方が大きいと考えられます。

NMF(天然保湿因子)

NMF(天然保湿因子)の成分

NMFは角質層の下の顆粒層にあるタンパク質(フィラグリン)がターンオーバーの過程によって角質層に達する際に分解されてできます。NMFはいくつかの成分から組成さされます。NMFの成分には次のようなものがあります。

【NMFの成分】
アミノ酸 : 40%
PCA(ピロリドンカルボン酸) : 12%
乳酸塩 : 12%
尿素 : 7%
NH3、尿酸、グルコミサン、クレアチン : 1.5%
クエン酸塩 : 0.5%
Na+、K、Ca、PO4、Cl: 18.5%
糖、有機酸、ペプチド、その他 : 8.5%

NMFの成分は全て吸水性が高いと言われていますが、中でももっとも吸水性が高いのは主成分であるアミノ酸とPCAです。この内アミノ酸の内容は次のようなものです。

[NMFを組成している主なアミノ酸]
・プロリン
セリン
・アラニン
・アルギニン
・グリシン
・グルタミン酸
・バリン
・ロイシン
・スレオニン
・リジン
・オルニチン
・アスパラギン酸
・フェニルアラニン
・チロシン
・ヒスチジン
・シトルリン

アミノ酸の中ではプロリンとセリンが吸収性が高いと言われています。

アミノ酸やPCAが配合されている化粧品が多くありますが、それらはこのNMFに働きかけることを目的としていると考えられます。

NMF(天然保湿因子)の保湿力

NMFは吸水性が高いものの保湿力は弱く、「保湿の三因子」の中で最も保湿力がないと言われます。皮脂が無い状態では空気が乾燥するだけでもNMFからは水分が蒸発していきます。

NMFはお風呂に入ると肌がふやけるくらいに水分を吸収するのに、お風呂あがりは肌が乾燥してつっぱった感じになります。これは皮脂が洗い流された状態でNMFから水分がどんどん蒸発しているからです。

ですので、肌のカサつきが気になる人はお風呂あがりや手や顔を洗った後はすぐにスキンケアを行うことが重要です。

スキンケアのタイミングは風呂あがりから5分位内と言われており、早ければ早いほどいいです。時間が経つとNMFから水分が蒸発したまま皮脂膜で覆われてしまい、逆に水分を吸収しにくくなってしまいます。

NMF(天然保湿因子)の水分が減少すると

NMFの水分が減少すると肌の潤いや弾力性が失われ、乾燥肌の状態になってきます。さらに角質細胞であるケラチンの柔軟性も失われ、細胞が崩れてささくれだった肌荒れの状態に近くなります。

さらに肌のバリア機能も弱まるため紫外線や細菌など外部の刺激や体内の毒素にも反応しやすくなり炎症が起きやすくなります。その結果、いわゆる赤みや吹き出物、ニキビなどができやすい状態になると言えます。

またNMF自体が減少することで肌から水分が失われ、肌荒れになることもあります。

NMF(天然保湿因子)が減少する原因

NMFから水分が蒸発するだけでなくNMF自身が減少することがあります。それには主に「栄養不足」、「ターンオーバーの乱れ」、「物理的にNMFが失われる」という3つの原因があります。

○栄養不足
NMFは前述の通りアミノ酸やPCAが主成分となっていますが、これらの成分は基底層で作られた細胞が分解して生成されます。しかしこれらの成分の元となる栄養が不十分だとNMFの成分が含まれない角質細胞ができてしまいます。栄養不足は偏食やダイエット、血行不良などが主な原因とされます。

○ターンオーバーの乱れ
肌はターンオーバーによって常に生まれ変わっていますが、ターンオーバーがうまくいかないと、古い角質細胞がいつまでも残り、NMFの働きも失われます。ターンオーバーの乱れは老化の他、睡眠不足、ホルモンバランスの崩れ、ストレスなどによる自律神経の乱れから起こります。

○物理的にNMFが失われる
物理的にNMFが失われる原因は主に洗顔など"洗いすぎ"に起因します。過度に肌を洗いすぎるとNMFや角質細胞自体が流失してNMFが減少します。

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